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 当協会では、熊本県の委託を受けて、貿易の振興を促進する観点から、シンガポールと上海を起点として、東アジア(東南アジアを含む)における県内企業の海外展開に対し、支援を行っています。そのなかで、現地ビジネスアドバイザー等のネットワークを活用しながら、情報の提供、ビジネスパートナー候補の紹介、海外で展開する企業の相談窓口の設置等、企業のニーズに対応した支援を行っています。
今回以降、シンガポールの現地アドバイザーの浦上 秀樹氏から「東南アジア情報」として現地のビジネスに係わる情報をレポートしていただきます。
 




2009年 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月

   
◆東南アジア情報 〜3月〜◆(シンガポール現地アドバイザー 柳沢 良樹)
シンガポール現地アドバイザーについては、これまでアドバイザーをお願いしていた浦上氏が日本に帰国されたことに伴い、現地でコンサルタント企業を経営されておられる柳沢 良樹 氏に依頼しております。 シンガポールをはじめとする東南アジアに関する御要望につきましては、当協会に御連絡頂ければ、現地のアドバイザーにおつなぎ致します。
1.シンガポールについて
@  2008年シンガポール経済成長率、1.1%
 先月、新年のメッセージでリー・シェンロン首相は、2008年の経済成長率が、1.5%になった見込みであるとコメントしましたが、その後、通産省は最終数値を1.1%と発表しました。内訳をみると、製造業が−4.1%、建設業 +20.3%、サービス業 +4.7%となっています。サービス業も第4四半期にマイナス成長となり、リセッションが深刻さを増してきました。
 2009年度の予想について、民間企業約170社に対するアンケート調査の結果として、年間GDP成長率は、−4.5〜−5.8% のレンジが示されました。また、
 2008年12月のインフレ率は4.4%となり、通年で5.4%を記録しました。 2008年度の特徴は、6%超えの高率でスタート、世界食糧危機、資源高の影響を受けて中盤さらに拍車がかかり、9月のリーマンショック以降、下降曲線をたどり始めた いわゆる逆放物線状態になりました。需要の減退と輸入品価格の低下により、今後さらにインフレ率は低下していくとの見方が支配的です。
A  経済回復パッケージ策の導入
 1月末に発表した2009年度予算案に、シンガポール政府は、過去に例のない世界的経済危機への緊急対応として、205億シンガポールドル(約1.2兆円)の公的支出を織り込みました。過去に蓄積してきた準備金を取り崩して対応するもので、国民の雇用確保と企業の倒産回避に軸足を置いた経済回復パッケージ策となっています。
 205億シンガポールドルの使途は、以下の5項目です。

(ア)
雇用確保 (51億Sドル)
企業に対する社員給与補填、教育訓練費支給。
(イ) 銀行による貸出し奨励対策(58億Sドル)
銀行に対する貸倒れリスクの政府保証の拡大 
(ウ) キャッシュフロー、競争力強化対策(26億Sドル)
開発認可土地の不動産税の支払い猶予、海外からの送金に対する免税範囲拡大
(エ)
国民の家計支援(26億Sドル)
所得税の一部還元
(オ)
インフラ整備(44億Sドル)
公共事業の前倒し実行

  迅速かつ明快な対策を講じるシンガポール政府の対応は、外国投資家や国民に対する安心感を与え、更なる景気悪化を防止する有効な手立てになるものと思われます。
B  オフィス需要の減少による賃貸料の低下 都市再開発庁(URA)によれば、2008年第4四半期のオフィス需要は5年ぶりに減少しました。 金融機関をはじめとする民間企業の合理化が主な原因と考えられます。第4四半期の減少面積は、36.6万平方フィートとなっています。実需の減少が顕在化する一方、今後、新たなオフィススペースの供給が計画されています。2009年度は170万平方フィート、2010年は280万平方フィート、さらに2011年は250万平方フィートが市場に供給される見通しで、需給ギャップの拡大によりオフィス賃貸料は今後大幅に低下することが考えられます。
C  観光業刺激策の発表 シンガポール観光局(STB)が、今後9千万Sドルを投じて、観光業刺激策を展開していくことを発表しました。<より多くの企業イベントをシンガポールに誘致するためのサポートをSTBが行う>ということで、デジタルメディア、環境技術などの分野で、国際会議、展示会などのイベントを奨励していく方針です。
2.マレーシアについて
@  世界経済危機の影響
 民間経済アナリストの予測によれば、マレーシアの2009年GDP成長率は、世界経済危機の影響を受けて、第1四半期マイナス成長、後半に回復するとのシナリオが見えてきます。予想幅のブレは大きく、通年でプラスとマイナスの両方の答えが用意されていますが、アナリストの一致した見方は、前半低迷、後半回復というシナリオです。
A  2009年度の失業率 6%に達するか?
 マレーシアでは、2001年以降の平均失業率を3%台(3.3〜3.6%)に維持してきましたが、2009年は6%に達するのではないかとの観測も流れ始めています。現在の全労働者人口を1,100万人とすれば、6%の失業率は66万人ということになります。

◆東南アジア情報 〜2月〜◆(シンガポール現地アドバイザー 柳沢 良樹)
シンガポール現地アドバイザーについては、これまでアドバイザーをお願いしていた浦上氏が日本に帰国されたことに伴い、現地でコンサルタント企業を経営されておられる柳沢 良樹 氏に依頼しております。 シンガポールをはじめとする東南アジアに関する御要望につきましては、当協会に御連絡頂ければ、現地のアドバイザーにおつなぎ致します。
1.シンガポールについて

@ 2008年シンガポール経済成長率、1.5%
 リーシェンロン首相は、新年メッセージで2008年の経済成長率が、1.5%になった見込みであることを発表しました。世界経済は、過去60年で最も深刻な経済危機に入りつつあり、開放経済政策を維持するシンガポールは、その影響を免れることはできないことを指摘し、2009年にはその影響が深刻化する懸念を表明しました。また、2008年11月のインフレ率は5.5%となり、過去11ヶ月間で最低を記録、1-11月の平均は6.7%となりました。費目別では、住宅費が前年同期比で15.7%の上昇、食品もプラス6.9%となりましたが、燃料価格の低下による交通通信費がマイナス1.9%となり相殺される結果となりました。今後インフレ率は低下傾向を示していく可能性が高いといわれています。
 経済開発庁は、2008年11月の製造業生産高が前年同月比7.5%のマイナスを記録したと発表しました。分野別では、電子がマイナス19.4%、化学がマイナス20.1%と大幅な落ち込みとなったのに対して、バイオメディカルがプラス14.9%、輸送エンジニアリングがプラス5.2%と明暗が分かれる形になっています。2008年1-11月全体では、前年同期比3.3%のマイナスとなっています。

A 2009年度の経済見通し
 通産省が1月はじめに発表した2009年度のシンガポール経済成長率予測は、マイナス2%〜プラス1%のレンジに下方修正しました。2004年〜2007年、4年連続で8%前後の高い成長率を記録してきた(2007年は7.7%)シンガポールは、2008年に1.5%と急激な減速に直面、2009年は遂にマイナス成長に突入する可能性が高くなりました。 

B 不動産業界の動き
 大手不動産コンサルタントによれば、2008年第4四半期のオフィス入居率は、前年同期比で2%低下し95.6%になりました。2009年度には、相当量の新規オフィススペースが市場に投入されることから、入居率の低下は今後も続き事務所家賃も低下する可能性が極めて高いといわれています。2008年には、ホテル代が平均9%上昇(前年比)しましたが、2009年は世界経済危機の影響を受けて10%以上低下するとの見通しが支配的になっています。現時点でシンガポールには200以上のホテルが37,000室を提供しています。2010年3月までには、セントーサ島の総合リゾート開発計画に含まれる6ホテルのうち、4ホテルが開業、1,400室を供給する見通しであり、さらに向こう3〜4年以内に15,000室が新たに供給されることから、宿泊料は当分低下傾向が続くものと思われます。

2.マレーシアについて

@ 世界経済危機の影響
 アブドラ首相は、新年メッセージで、世界経済危機の影響を最小限に食い止めるための対策を講じるとの声明を発表しました。世界的規模の経済危機の影響を免れることはできないとしながらも、以下の点を挙げて影響を最小限に食い止めることができるとしています。
 ・1997年のアジア通貨危機の時と比べて金融システムの健全化が進んでいる。
 ・金融部門の準備高(貯蓄)は、GDPの37%相当に達している。
 ・経済構造が多様化していることでリスク分散を図ることが可能。
 ・政府による大型公共事業を伴う包括的景気刺激策の実施。

A 2009年度の失業率
  4〜4.5%に上昇見込み 2008年第3四半期の解雇者数が、前四半期の4倍に達したことから、2009年度の失業率は、4〜4.5%程度に上昇するとみるエコノミストが増えています。解雇者の多くは、影響が深刻な電子・電気、自動車を中心とする製造業に集中しています。マレーシア政府は、2008年の失業率を3.3%程度になると予想しています。



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