中国(上海)での日本食品販売について
過去、数回開催された物産展・商談会等を経由して知り合った上海の業者を通じて、既に一部の熊本県の食品が輸出され、上海で常時販売されてはいますが、顧客は主として在住日本人(約5万-10万居住しているといわれています)であり、一部中国人富裕層が買っているにしても、未だ規模も大きくなく、本当の意味で上海(中国)進出を果たしたとは言い難いと私は思っております。
日本からの食品の上海での販売での苦戦については、次の理由が上げられています。
@ 市場調査とその分析が充分でない。
A 中国人の習慣・嗜好の把握が充分でない。
B 消費者のニーズやトレンドの把握が充分でない。
C 価格設定が一般中国人の購買対象となっていない。
D 顧客ターゲットが明確化されていない。
E 商品やサービスに他とは違う特長を持つといった差別化が出来て
いない。また、ブランドが確立していない。
F 宣伝(コマーシャル)が不足している。
G 中国政府の輸入規制。
以上の問題点を全てクリアして一般中国人向け食品事業として成功しているのは、味千ラーメン、旭洋(豆腐)、ハウス食品(レトルトカレー)、キューピー(低カロリーマヨネーズや低糖ジャム)、サントリービール、明治製菓等の現地生産の大手企業が上げられます。
中小の食品会社にとって、上述の7つの問題点を全てクリアするのは資金的にもリスク負担能力からいっても困難でしょう。しかし、少なくともまず中国人の嗜好・習慣等を含めた市場調査を実施し、顧客ターゲットを明確にし、販売戦略を立てることが必要です。日本人や一部の富裕層をターゲットにするなら差別化さえできれば、日本での生産でも価格的に可能だと考えます。しかしなから一般の中国人に対象を拡大する場合は、価格を大幅にダウンする必要があり、現地での生産が必要になるでしょう。(そのあたりについて市場調査と分析に基づく経営判断が求められます)
また差別化については、「食の安全や健康」と「独特のおいしさと中国人の嗜好との調和」「贈答品として使える」「包装(外観)に特徴」がキーになるでしょう。旭洋の豆腐は使用する水の安全性、キューピーのマヨネーズは低カロリーの健康、味千ラーメンは中国人の嗜好に合った味付け、陸奥や富士ブランドのリンゴは贈答品(陸奥はソフトボール大1個68元(約1,000円)、富士は58元(約900円)で売られています。)として使えること等が差別化のキーになっています。
これまで行政主催の物産展・即売会により、県内中小企業に市場調査の機会が提供されていますが、企業自体も、たとえば中国で売れている(人気のある)中国や台湾製の競合食品の味を分析し、取り入れる等の工夫を行い、販売戦略を立て、フォローしていく積極的なマインドと努力が必要だと思います。
上海に於ける日本食品の販売状況は少しずつ増加しており、それにつれて売り場面積も大きくなってきています。(久光百貨店の成功、石橋水産や石狩水産の健闘、ヤオハンも日本食品売り場の大幅拡大計画があります)しかしターゲットは日本人および一部富裕中国人であり、市場が拡大しつつあるといっても短期間での急速な膨張は期待できません。一般中国人が購買するコンビニやスーパーには、上述の成功例の現地生産食品以外の、輸入品はほとんど見かけません。(例えば日系のローソンでさえ小型店では、販売されている日本からの輸入食品はチョコレート11元(約170円)とあられ、38元(約600円)ぐらいです。
日本の各自治体が開催した日本食品の商談会ではJETRO上海等が苦労してバイヤーを集めておられますが、ほとんどが日系または既に実績のあるバイヤーで、中国人経営のバイヤーにとって未だ積極的に商談会に乗り込んでいって商談しようというニーズには到っていません。また日系も大手商社にとっては採算的に興味がでる規模に達しないため、参加意欲が高くありません。
現状はこのような困難な情況にはありますが、可能性に富んでいる市場ですので、各食品会社がそれぞれにどういう戦略で対処するかを真剣に考える必要があります。
考えられる戦略としては以下のものが考えられます。
@ 現地生産に踏み切る
A 現地企業と提携する
B 在住日本人と富裕中国人をターゲットにしぼり色々な角度から商品の
差別化を図る。
等
もし、個別の企業におかれまして当方の参考意見やアドバイスが必要ならいつでも対応致します。 |